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【原 著】
母体死亡となった僧帽弁狭窄症合併妊娠の1例


加藤 千緒1), 斎藤 克1), 菊地 信三1), 望月 純子1), 前原 大介1), 谷 昭博1), 天野 完1),2), 西島 正博1),2)
1)北里大学産婦人科2)周産母子センター


 集学的治療にもかかわらず不幸な転帰となった僧房弁狭窄症(MS)合併妊娠を経験したので報告する.症例は38歳,2経妊2経産.14歳の時リウマチ性MSと診断され,16歳で交連切開術施行.その後はNYHA I°で経過している.今回は近医で妊娠を確認後,妊婦健診を受けず,26週0日当科紹介となった.29週の健診時入院管理を勧めるが拒否,34週に呼吸苦のため受診,心不全徴候を認め入院となった.聴診上,両側肺野に軽度湿性ラ音,Levien IV度の心雑音を聴取し,胸部X線で著明な心拡大,心エコーで僧帽弁の重度の狭窄を認めた.子宮口は開大し規則的陣痛を認めたため,スワンガンツカテーテル,動脈ラインを挿入し硬膜外麻酔下に分娩誘発を試みたが,肺高血圧と急性呼吸不全の状態となったため,挿管し帝切分娩とした.児は2096gの女児,アプガースコアは7/8点,臍帯動脈血pH 7.13であった.ICU入室後突然の血圧低下を認め経皮的心肺補助装置(PCPS),大動脈内バルーンパンピング(IABP)を導入し,循環動態の安定をはかり原因検索を行なった.CT,肺動脈血管造影により,肺塞栓と診断し肺動脈血栓除去術を施行し病態は安定した.その後弛緩出血を認め,コントロール困難なため内腸骨・子宮動脈塞栓術を施行した.帝切17日後,敗血症を併発,術後23日目に突然の肺出血をきたし種々の蘇生にもかかわらず死亡となった.

Key words:Mitral stenosis, Cardiac failure, Pulmonary embolism, Uterine atony, Embolization

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(1) 31-35, 2001


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