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【原 著】
プロテインC低下症を合併した卵巣漿液性腺線維腫の1例


野平 知良, 糸数 修, 中田 敏英, 藤東 淳也, 岡部 一裕
東京医科大学八王子医療センター産婦人科


 プロテインCは肝で合成されるビタミンK依存性糖蛋白質であり,活性化プロテインCによる第Va因子と第VIIIa因子の失活化は生理的に重要な凝固制御反応である.以前,我々は血栓症を伴って若年者に発症した卵巣腺線維腫の1例を報告した.発表当時は血栓症発症の原因は不明であり,巨大卵巣腫瘍の下大静脈圧迫の可能性も疑われたが,その後の血液凝固学的検索で先天性プロテインC低下症と診断されたので,今回,血液学的考察を中心として改めて報告する.
 症例は17歳女性.心悸亢進を覚え,下腿浮腫,咳嗽が出現.腹部膨満感を感じるようになり,超音波断層法で巨大な下腹部腫瘤を認めた.また,左側大腿部〜下腿部にかけて硬性浮腫を認めたため深部静脈血栓症を疑い,精査・加療目的で即日入院となった.肺血流シンチグラムにより多発性肺梗塞を合併していることが指摘され,ヘパリン10000単位+ワーファリン5 mg/day投与を開始し,下大静脈フィルターを挿入し,開腹手術を施行した.手術は右付属期切除+左卵巣部分切除術を施行した.術後病理診断は,右卵巣:漿液性乳頭状腺線維腫,左卵巣:成熟性嚢胞性奇形種であった.
 術後,血栓症の原因を検索したところ,プロテインC活性:43%と低下しており,プロテインC低下症と診断された.

Key words:Ovarian tumor, Serous adenofibroma, Protein C defficiency, Thrombosis

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(4) 359-365, 2001


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