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【原 著】
胎児期における胎便性腹膜炎の臨床経過の多様性―4症例の検討と文献的考察―


三橋 優子, 北 直子, 金井 誠, 高木 靖, 松原 直樹, 鈴木 昭久, 高津 亜希子, 小原 みほ子, 小西 郁生
信州大学医学部産科婦人科学教室


 胎便性腹膜炎は何らかの原因により腸管穿孔をきたし,胎便が腹腔内に漏出することにより起こる無菌性の化学性腹膜炎で出生後に診断された症例では高い死亡率を示すため,新生児期における重篤な消化管疾患の1つと考えられている.今回我々は,出生前に胎児胎便性腹膜炎と診断した4例を経験した.4症例すべてに胎児腹水が認められ,うち3例は腹腔内の石灰化や消化管拡張,羊水過多などの所見から胎便性腹膜炎と診断した.1例は胎児腹水以外の所見が得られず,腹水穿刺にて診断することができた.4例中2例において本症の増悪またはwell-beingの低下が認められたため,早期のterminationを施行した.4例中3例において出生後に開腹術を施行した.出生前に本症と診断され,出生後すみやかに治療に移行できる症例は予後が良好であることから,出生前診断の意義は大きいと考えられる.さらに,胎内での経過は,自然治癒したもの,胎児水腫をきたしたもの,胎便性腹膜炎は自然治癒したが消化管閉塞が残存したものなど様々であった.胎内における胎便性腹膜炎の経過は刻々と変化するため,早期から胎便性腹膜炎の疑いを持って経過を観察することが,診断を確定することに役立つとともに分娩の時期の決定に重要な役割を果たすものと考えられる.

Key words:meconium peritonitis, prenatal period, ultrasound

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 37(4) 389-395, 2000


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