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【原 著】
Extraovarian Primary Peritoneal Carcinomaの1例


中村 浩子, 今村 由里, 今北 哲雄, 志田 多果夫
草加市立病院


 Extraovarian Primary Peritoneal Carcinoma(EOPPC)は,卵巣漿液性腺癌に類似した組織像を示す腹膜原発腺癌で,女性にのみ発生する稀な悪性腫瘍である.今回,卵管漿膜原発と考えられたEOPPCの1例を経験した.
 症例は49歳で主訴は過多月経であった.子宮は超鵞卵大に腫大,左右卵巣に約3cmおよび4cmの嚢胞を認め,腫瘍マーカーではCA125が54U/mlと上昇していた.子宮筋腫および子宮内膜症と診断しGn-RH analogue療法を開始したが症状が改善しないため開腹術を施行した.開腹時,子宮筋腫と両側卵巣チョコレート嚢腫の他に,左卵管表面より発生する乳頭状腫瘍を認め,子宮およびS状結腸と強固に癒着していたが,腹膜播種は認めなかった.腹式単純子宮全摘術,両側付属器摘出術,骨盤内および傍大動脈リンパ節郭清術,大網部分切除術を施行した.病理検査では左卵管膨大部漿膜より発生した約3cmの乳頭状腫瘍を認め,組織学的には一部腺腔を形成した高分化型漿液性乳頭状腺癌であった.左右卵巣と卵管内腔には癌が認められなかったため,腹膜原発腺癌と診断した.化学療法を6コース施行し,術後9か月現在再発を認めていない.
 EOPPCは癌性腹膜炎として発見されることが多く,今回の症例のように原発部位を特定できることは稀であり,その組織発生を考える上で重要な症例と考えられた.

Key words:Extraovarian Primary Peritoneal Carcinoma, Ovarian Cancer

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 37(4) 397-401, 2000


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