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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))

【一般演題】
子宮体部悪性腫瘍/肉腫
変性子宮筋腫と診断された子宮内膜癌の2症例


伊吹 友二, 青木 宏, 村田 知美, 平川 隆史, 山下 宗一, 中村 和人, 鹿沼 達哉, 峯岸 敬
群馬大学産婦人科


 変性子宮筋腫の術前診断であったが,術後病理検査により子宮腺筋症から発生したと考えられた子宮内膜癌(類内膜腺癌)症例を2例経験したので報告する.(症例1)67歳,2経妊2経産,閉経56歳.47歳頃より子宮筋腫を指摘されていた.今回尿閉を主訴に当院紹介受診.約10cmの子宮筋腫様腫瘤を認めたが,細胞診,内膜組織診は共に陰性.MRIでは子宮内膜とは連続性なく変性子宮筋腫の診断であった.CA125:169,CA19-9:41,TPA:183.変性子宮筋腫の術前診断にて手術施行.(症例2)62歳,2経妊2経産,閉経52歳.30歳頃より子宮筋腫との診断を受けていた.骨粗鬆症にて当院中高年外来通院中であったがホルモン補充療法は行っていなかった.今回不正出血を主訴に受診したが,細胞診,組織診にて異常認めず.超音波検査にて筋腫と思われる腫瘤の辺縁にecho free spaceを認め,MRIでは良性,悪性の鑑別は困難で変性子宮筋腫または子宮肉腫が疑われた.CA125:20,CA19-9:26.変性子宮筋腫の術前診断にて手術施行.術後病理検査では,子宮筋腫と思われた部位に子宮内膜癌(類内膜腺癌G3)を認め,子宮内膜との連続性はなく子宮腺筋症より発生した子宮内膜癌と考えられた.文献的にも,子宮腺筋症から腺癌が発生することは非常にまれであり,ほとんど報告がない.また子宮腺筋症由来の腺癌は,エストロゲンの使用が関与しているとの報告もあるが,当院における症例は,エストロゲン投与歴がなかった.子宮筋腫あるいは子宮腺筋症で長期に経過観察中のこの様な症例は,MRIにても診断がつかず,今後の診療にて子宮内膜癌の発症も念頭において診療していく必要があると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3) 244-244, 2004


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