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【原 著】
著明な腹腔内播種性病変を伴う卵巣漿液性境界悪性腫瘍IIIc期の2例


小原 みほ子, 高津 亜希子, 鈴木 昭久, 本道 隆明, 木村 薫, 小西 郁生
厚生連篠ノ井総合病院産婦人科
信州大学医学部産科婦人科学教室


 卵巣漿液性境界悪性腫瘍の多くは一般的に予後良好とされているが,進行例は症例数が少ないため,その治療法や予後について一定の見解がない.今回我々は著明な非浸潤性腹腔内播種性病変を伴うIIIc期の2例を経験した.症例1は43歳の5回経妊3回経産女性で,下腹部に新生児頭大の充実性腫瘍を認め,開腹すると腹水細胞診陽性,卵巣は両側ともに腫大しその表面はすべて乳頭状腫瘍に置換され,腹腔内には広範囲に播種性病変が認められた.単純子宮全摘術,両側付属器切除,大網切除術,播種病変摘出術を施行したが,腫瘍の一部は残存した.病理組織診断は原発巣,播種巣ともに漿液性境界悪性腫瘍であった.症例2は25歳の1回経妊0回経産女性で,卵巣内膜症性嚢胞の診断で経過観察していたが,初診より約1年9か月後,超音波検査にて腹水の貯留,左卵巣腫瘍の増大および充実性部分の出現が認められた.開腹術を施行したところ,腹水細胞診陽性で,左右卵巣の表面は粗造で乳頭状腫瘍がみられ,また腹腔内に播種性病変が多数認められた.単純子宮全摘術,両側付属器切除,大網切除術,播種病変摘出術を施行したが,腫瘍の一部は残存した.病理組織診断は原発巣,播種巣ともに漿液性境界悪性腫瘍であった.2例とも術後に化学療法(CAP療法)を6コース施行し経過観察中であるが,各々術後14か月,15か月経過し,再発徴候を認めていない.

Key words:ovary, serous borderline tumor, peritoneal implant, advanced stage

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(4) 417-423, 2003


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