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【原 著】
子宮温存し得た頸管妊娠の3症例


小野 恵里奈, 安達 知子, 岡野 浩哉, 橋口 和生, 松田 義雄, 太田 博明
東京女子医科大学産婦人科


 頸管妊娠の頻度は極めて低いが,大量出血・止血困難などにより子宮全摘術を余儀なくされる症例も少なくない.当科における過去12年間の子宮外妊娠は189例であり,そのうち頸管妊娠は3例(1.5%)を占めた.これら3症例はすべて子宮を温存できたので,その術式と臨床経過について報告する.症例1は46歳,4経妊2経産,妊娠9週で,症例3は29歳,2経妊0経産,妊娠6週で,大量出血のため当科に搬送された.症例2は38歳,2経妊0経産,妊娠7週で不正出血を認め,当科を受診した.内診,エコー上,頸管妊娠と診断し,頸管内に血腫を伴った胎嚢を認めたが,胎児心拍は認めなかった.十分なインフォームドコンセントの後,子宮温存手術を施行した.すなわち3症例ともに,経腟的に両側子宮動脈下行枝結紮後,頸管内容清掃術を施行した.さらに症例1および3は頸管内にバルーンカテを留置し,症例3は頸管縫縮術も併用した.また,症例2はボスミン生食ガーゼにて頸管を圧迫・止血した.いずれの場合も,術中,術後の出血は少量であった.また,頸管内絨毛遺残を考慮し,症例1および3はMTXの全身投与を行った.3症例ともに速やかにhCGは下降し,再出血は認めなかった.頸管妊娠の子宮温存法として,開腹による両側子宮動脈または内腸骨動脈結紮術や子宮動脈塞栓術などの報告がなされているが,侵襲,再出血,妊孕性温存,手技の習熟度,設備や他科との連携など,問題となる点は大きい.当科で行った術式は早期の妊娠で,頸管の腫大が軽度である場合などに,侵襲が少なく,一般施設で安全に施行できる可能性が示唆された.

Key words:Cervical pregnancy, Cervical circlage, balloon catheter, Conservative treatment for cervical pregnancy, methotrexate

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(4) 457-462, 2003


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