関東連合産科婦人科学会
会員ログイン 代表挨拶
総会・学術集会
学会誌
定款
公告
利益相反
役員構成
事務局案内
求人施設一覧
関連リンク

 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る

【原著】
胎児Nuchal translucency症例の予後について


深田 幸仁1), 河野 照子1), 星 和彦2)
1)独立行政法人国立病院機構甲府病院産婦人科
2)山梨大学医学部産婦人科


 われわれが経験したNT症例147例を対象とし,母体年齢,NT値,診断週数,児の性別,NT消失の有無,不妊治療の有無,胎児数と染色体異常,先天奇形などとの関連性について比較,検討した.
 NT症例147例全例の平均母体年齢は32.6±5.0歳,平均診断週数は12.7±2.4週,診断時NT値は4.4±2.1 mm,最大NT値は4.5±1.8 mmであった.分娩に至った症例全例においてNTは自然消失した.染色体異常は21例(14.3%)に認められ,先天奇形は17例(11.6%)に認められた.母体年齢35歳を境界とした2群間においてNTの出現頻度,染色体異常および先天奇形の発生率に有意差は認められなかった.診断時NT値で3.0〜3.9 mm,4.0〜4.9 mmおよび5.0 mm以上の3群に分類すると,5.0 mm以上の群は3.0〜3.9 mmの群よりも染色体異常および先天奇形の発生率いずれも有意差をもって高かった(P<0.001).児の性別では染色体異常および先天奇形の発生率に有意差は認められなかった.児の予後別に正常,染色体異常および先天奇形群の3群に分類すると,染色体異常群および先天奇形群は正常群より診断時NT値とNT最大値において有意に高値であり,NT持続週数において有意に長期であった.自然妊娠例および不妊治療後妊娠例の2群間では,染色体異常および先天奇形の発生率に有意差は認められなかった.単胎と双胎間での比較では,双胎ではNT出現頻度は単胎に比し対症例および対胎児いずれにおいても有意に高頻度であったが,染色体異常および先天奇形の発生率は単胎NT例と有意差は認められなかった.またTTTSの発生頻度についてはNTのない一絨毛膜性例と比し有意差はなかった.

Key words:Nuchal translucency, Ultrasonography, prenatal diagnosis, Chromosomal abnormality, Structural malformation

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(4) 325-332, 2004


一般社団法人関東連合産科婦人科学会事務局 〒102-0083 東京都千代田区麹町4-7 麹町パークサイドビル402 株)MAコンベンションコンサルティング内
TEL:03-3288-0993 FAX:03-5275-1192 E-mail:kantorengo@jsog-k.jp
Copyright (C) 一般社団法人関東連合産科婦人科学会