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 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

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【原著】
巨大臍帯真性嚢胞を認め帝王切開術により正常児を得た1例


松原 正和, 吉田 順子, 甲藤 一男
上田市産院


 胎児の臍帯嚢胞は,比較的まれな異常で,真性嚢胞と偽性嚢胞に分類される.偽性嚢胞については18トリソミーなどの胎児染色体異常や横隔膜ヘルニアや脊椎欠損,鎖肛などの胎児奇形との関連性が指摘されている.症例は,27歳,1回経妊・1回経産.妊娠20週より超音波検査で胎児の臍輪部に直径約30 mmの臍帯嚢胞を認め,その後,ほぼ不変であった.しかし,37週から38週にかけて嚢胞は直径76 mmにまで急速に増大した.妊娠経過中,臍帯嚢胞以外の明らかな児の異常は認められなかった.嚢胞の急激な増大に伴い,圧迫により臍帯血流が障害を受ける危険性や,経腟分娩では臍帯嚢胞が破裂してしまう危険性があると考え,38週で帝王切開術を行い,3,224 gの正常男児を娩出した.臍帯は臍輪部より約35 cmにわたり嚢胞性病変を認め,内容は漿液性であった.病理学的検査の結果,嚢胞壁の一部に移行上皮を認め,尿膜管の遺残による真性嚢胞と考えられた.真性嚢胞は偽性嚢胞に比べると極めて稀とされている.出生した児には明らかな異常は認められなかった.臍帯嚢胞が見られた場合,児の合併奇形の検索や臍帯血流の評価などが重要である.娩出時期・方法については慎重に検討することが必要で,臍帯嚢胞により臍帯血流が障害される危険性がある場合は,児の成熟を検討した上で早期に帝王切開による娩出を行なうことが望ましいと考えられた.

Key words:Large umbilical cord cyst, True cyst, Pseudocyst, Normal Infant, Cesarean Section

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(4) 337-341, 2004


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