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 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

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【原著】
妊娠22週に血流が描出されない胎盤腫瘍として見つかった,巨大胎盤血管腫の1例


大久保 大孝, 北村 公也
市立伊東市民病院 産婦人科


 胎盤血管種は胎盤に発生する非絨毛性の良性腫瘍で,発生頻度も高い疾患である.全分娩の約1%とされるが,長径が5 cmをこえる場合,羊水過多,早産,胎児心不全および胎児水腫などの周産期異常を伴う頻度が高くなると言われている.今回我々は妊娠22週のスクリーニングで血流が認められない胎盤腫瘍を認め,経過観察を続ける事によって妊娠28週に超音波断層カラードップラーで,胎盤血管腫と診断できた症例を経験した.胎盤血腫は妊娠週数とともに増大し,分娩時には長径8 cmと大きなものになった.胎児はSGA(small-for-gestational aged fetus)ではあったが成長を続け,羊水過多,胎児水腫,胎児心不全等の重篤な合併症をおこすことはなかった.妊娠35週頃より胎児心胸郭面積比,Cardio-Thoracic-Area ratio(CTAR)の増大傾向を認めたため,terminationとした.骨盤位でもある事を考慮し,妊娠36週2日にて帝王切開術を施行,2,282 gの健児を得た.
 胎盤に血管腫らしき像を認めた場合,比較的サイズの小さい時期に腫瘍内部に血流が観察されるか否かが,妊娠経過中に胎児水腫をはじめとする周産期異常を発症する危険度を予知する一つの所見となりうる可能性があると考えられた.

Key words:Chorioanigioma, Placental tumor, Complications during pregnancy, Color Doppler

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(1) 35-39, 2006


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