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【特集】
未熟奇形腫手術後12年で成熟奇形腫を発症し,子宮内膜症病変を伴う腹膜神経膠腫を認めた一例


栗原 聡美, 原田 竜也, 小坂 元宏, 久保田 俊郎, 麻生 武志
東京医科歯科大学医学部附属病院 周産女性診療科


 成熟または未熟奇形腫に合併して神経膠組織が腹膜や大網に播種したものを腹膜神経膠腫症(Gliomatosis Peritonei;GP)と呼び,比較的希な病態である.GPはほとんどの例で予後良好といわれているが,早期に未熟神経膠腫を再発した例も複数報告されている.また子宮内膜症病変を伴うことがあるが希で発症様式も多様である.我々は未熟奇形腫(Grade1)を治療後12年で成熟奇形腫を発症し,開腹時に子宮内膜症病変を伴うGPを認めた一例を経験したので報告する.
 症例は20歳,0回経妊.8歳時に右卵巣腫瘍(Immature teratoma, grade1, of the right ovary Ic)に対し右付属器摘出術および術後化学療法を施行された.腹部腫瘤感を主訴にて初診,超音波断層法で腹部に37×15×9 cmの巨大な嚢胞性病変を認めた.開腹時,右仙骨子宮靭帯付着部に2 cm大の硬結を認め切除したところ,gliomatosis peritonei admixed with endometriosisと診断された.卵巣腫瘍はMature cystic teratoma of the left ovaryとの診断だった.GPは比較的な希な疾患だが未熟及び成熟奇形腫に合併することがあり,発症時期や予後は多様である.奇形腫の手術時は注意深い腹腔内観察及び検体採取が肝要であり,長期的な観察が再発の早期発見に必要である.

Key words:Gliomatosis Peritonei, Endometriosis, Mature cystic teratoma, Immature teratoma

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 44(1) 47-51, 2007


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