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【症例報告】
急性妊娠脂肪肝の1例


花岡 由里子, 佐近 普子, 保倉 宏, 本道 隆明, 木村 薫
JA長野厚生連篠ノ井総合病院産婦人科


 急性妊娠脂肪肝は稀な疾患ではあるが,適切な管理がなされないと発症後急速な経過で肝不全に進行するため発症早期に診断を行うことが大切である.今回我々は急性妊娠脂肪肝の1例を経験したので報告する.症例は32歳1回経妊1回経産.前回妊娠分娩経過に異常はなく,今回も妊娠34週までは順調に経過していた.骨盤位であったが本人の希望により経腟分娩の方針であった.妊娠36週0日に腹部緊満感および腹痛,少量の性器出血を主訴に受診し,切迫早産,複臀位の診断で入院となったが,急速に分娩が進行し約1時間後に2434 gの男児を経腟的に娩出した.分娩直後より出血傾向,黄疸,嘔気,軽度の意識混濁を認め,血液検査では肝機能異常を主体とした異常を認めた.分娩前後の血圧は正常であり,血液検査所見および臨床症状から急性妊娠脂肪肝と診断し治療を開始した.分娩後乏尿となり全身浮腫も出現したが,FOYやドパミンなどを使用しながら経過をみたところ産褥2日には臨床症状は改善傾向となり,産褥3日には血液検査でも改善傾向が認められた.その後の経過は良好であり1か月健診時には特記すべき異常はなかった.本症例では発症とほぼ同時に分娩となり,また早期診断と治療がなされたため肝不全や腎不全に至ることなく管理ができたと考えられる.

Key words:pregnancy, jaundice, fatty liver, HELLP syndrome, intrahepatic cholestasis

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(4) 343-347, 2008


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