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【症例報告】
癒着胎盤組織の遺残による子宮復古不全に起因した産褥晩期出血の1例


岸見 有紗1), 森定 徹1), 手塚 彩子2), 落合 大吾3), 松岡 美杉1), 西村 修1), 宮越 敬1), 矢久保 和美1), 福井谷 達郎1)
1)さいたま市立病院産婦人科周産期母子医療センター
2)杏林大学医学部産婦人科学教室
3)慶應義塾大学医学部産婦人科学教室


 産褥期異常出血は母体死亡と関連した重篤な合併症の一つであるが,その多くは産褥早期に発症している.分娩後24時間以後の異常出血は産褥晩期出血と定義されており,胎盤遺残,子宮内膜炎,子宮復古不全,胎盤剥離面の血栓脱落などの原因が考えられている.今回我々は,前置胎盤で帝王切開分娩後13日目に癒着胎盤組織の遺残による子宮復古不全が原因と考えられる大量出血をきたした1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.症例は37歳女性.2経妊2経産.妊娠32週1日に前置胎盤からの多量の性器出血を認めたため緊急帝王切開術にて女児を分娩した.母児ともに産褥経過は概ね良好で,産褥8日目に退院となった.産褥13日目に自宅で多量の性器出血を認め,当院に搬送され超音波ドプラ法にて子宮内に血流を伴うエコー像を認めた.大量出血のため輸血を行いながら緊急腹式単純子宮全摘術を施行した.摘出子宮には子宮後壁下部の胎盤付着部を中心に広範囲な子宮筋層凝固壊死が観察され,病理組織検査にて癒着胎盤を認めた.本症例の産褥晩期出血の原因として癒着胎盤の組織遺残による子宮復古不全が示唆された.

Key words:Placenta previa, myometrial necrosis, subinvolution

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(4) 355-358, 2008


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