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【特集】
選択的動脈塞栓術にて子宮温存が可能となった子宮破裂の一例


宇田 優貴, 高橋 千果, 東郷 敦子, 近藤 朱音, 内田 能安, 前田 大伸, 杉 俊隆, 松林 秀彦, 森 晃, 石本 人士, 和泉 俊一郎, 三上 幹男
東海大学専門診療学系産婦人科


 症例は33歳,1経産.妊娠39週6日に陣痛発来にて前医入院.分娩直前に遷延一過性徐脈を認め,クリステレル用手加圧及び吸引分娩施行.分娩直後より左下腹部痛出現し,その後収縮期血圧70 mmHg台まで低下.出血性ショックにて当院搬送となった.
 子宮破裂による腹腔内多量出血の診断で開腹手術施行.
 腹腔内は多量の血液貯留,広範囲にわたる後腹膜血腫を認めた.子宮体下部左側壁筋層に約3 cmの縦裂傷があり,左子宮動脈上行枝からの出血を認めた.
 裂傷部を縫合し,止血試みるも出血は持続した.そこで選択的動脈塞栓術を施行した.左内腸骨動脈,右子宮動脈をゼラチンスポンジにて塞栓.
 再開腹したところ,持続する出血は認められなかった.
 術中出血量は1,190 ml,懸念されていた合併症出現なく,術後9日目に退院となった.
 今回,開腹手術にて止血困難な子宮破裂の症例に対し,選択的動脈塞栓術を選択することで止血でき,子宮温存が可能となった症例を経験した.選択的動脈塞栓術は産科出血に対して有益な治療法の一つと考えられた.

Key words:Uterine rupture, Selective artery embolization, Hemorrhage shock

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 46(1) 57-62, 2009


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