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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(6)
サラセミア合併妊娠の1例


長瀬 寛美, 山賀 明弘, 毛利 順, 植村 次雄
藤沢市民病院産婦人科


 妊娠初期より鉄剤不応性の小球性低色素性貧血を認め,分娩後に末梢血液の遺伝子解析によりβ°サラセミアと診断された稀な一例を経験したので報告する.【症例】30歳,2回経妊0回経産.中国国籍.最終月経H11.8.8より4日間として妊娠.妊娠16週よりHb10.5g/dlと貧血を認めた.妊娠28週時にはHb9.1g/dl,MCV64.9μm3,MCH21.7pgと小球性低色素性貧血を認めたため鉄剤投与するも改善せず,さらに妊娠33週には血小板も8.2万と低下を認めたため血液疾患の合併が疑われて当院血液内科受診.Hb9.1g/dl,MCV65.1μm3,plt10.6万,血清鉄66μg/dl,総鉄結合能375μg/dl,PAIgG180でサラセミアとITPとの合併が疑われた.骨髄生検は本人の同意がえられず施行しなかった.H12.5.17 40週5日で陣痛発来し入院となり,その後NSTでsevere variable decelerationを認め胎児仮死と診断し鉗子分娩となった.児は2890gの女児でアプガースコアは1分後8点,5分後10点であった.会陰に3度の裂傷を認め分娩時出血量は866gであった.分娩後1日目にHb7.8g/dlと出血による貧血がみられたため鉄剤投与を行い1ヶ月検診時にはHb10.3g/dlと改善した.血小板は16.9万にまで自然に改善した.血小板低下は分娩後に自然に改善しているため妊娠による変化と推察された.鉄剤不応性の小球性低色素性貧血については,分娩後の末梢血液遺伝子解析によってβコドン14/15の変異のためコドン22に終止コドンが出現しタンパク合成が早い段階でstopしていることが判明しβ゜サラセミアと診断された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 248-248, 2001


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