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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(7)
子宮破裂による出血性ショックに対し経カテーテル的動脈塞栓術を施行し救命しえた一例


金子 透子, 大森 万里子, 小竹 譲, 小竹 和美, 伊澤 美彦, 田巻 勇次
松戸市立病院産婦人科


 従来より子宮破裂など重篤な子宮損傷をおこした症例に対して,子宮摘出術は第一選択で行われている.しかし,その後DICを併発すると止血は困難となり,救命は難しくなる.今回,子宮破裂による出血性ショックに対し経カテーテル的動脈塞栓術(TAE)で止血救命しえた症例を経験したので報告する.(症例)36才.(既往歴)4経妊1経産.前回は妊娠中毒症発症のため妊娠38週で帝王切開術施行.(現病歴)妊娠16週で当科紹介.妊娠28週で頚管無力症と診断し,マクドナルド頚管縫縮術を施行.妊娠35週で自然破水し,縫縮術抜糸.分娩方法については,インフォームドコンセントの上,基本的に経膣分娩の方針とした.3日後自然陣発.急速に子宮口全開大するも,胎児仮死出現.母体の血圧も60代に低下,意識障害出現.子宮破裂疑いで手術室に移送中,心肺停止.直ちに気管内挿管,蘇生,輸血を行った.右大腿部よりオクルージョンカテーテルを挿入し血圧を確保した上で開腹.右子宮動脈付近に破綻が見られ,腹腔内出血は約6000ml.死産児を娩出した後,子宮膣上部切断術+右付属器切除術施行.止血を確認し,閉腹とした.しかし,大量出血によりDICを併発し,輸血を行っても循環動態は安定せず.このため,出血源検索目的で,術後1日目に内腸骨動脈造影施行.両側の子宮動脈領域より血管外漏出を認め,同部位に塞栓術を施行.しかし,その後も出血は持続し,翌日再度動脈造影を施行.右下殿動脈の上部に血管外漏出を認め,この部位に塞栓術施行.これにより,ようやく循環動態のが安定が得られた.今回のように,子宮摘出術後にDICを併発し止血困難な症例に対し,TAEは非常に有効な治療法であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 249-249, 2001


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