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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(8)
当センターにおける精神科疾患合併妊娠の現状


田中 明子1), 遠藤 方哉1), 佐治 晴哉1), 春木 篤1), 石川 浩史1), 安藤 紀子1), 高橋 恒男1), 平原 史樹2)
横浜市立大学母子医療センター1), 横浜市立大学産婦人科2)


 今回我々は,当センター開設後18ヶ月間における精神疾患合併妊娠の現状の報告と症例の提示を行う.対象期間の精神疾患合併妊娠は30例あり,これは同期間の総分娩数1071例の2.8%を占めていた.対象の平均年齢は31.0歳,初産婦12例,経産婦18例であった.精神疾患の内容は,精神分裂病8例,てんかん8例,不安神経症4例,ヒステリー2例,躁鬱病2例,その他6例であった.精神疾患のために精神科病棟入院が必要となった症例は9例,うち8例は分娩時まで入院を要し,分娩の方法に苦慮した.分娩方法は,8例中3例が緊急帝切となったが,精神疾患を理由とした帝切症例はなかった.向精神薬などの内服をしていた症例の児の予後は,1例に薬物中毒症状を,1例に薬物離脱症状を認めたが,速やかに改善した.経膣分娩となった躁鬱病の症例を提示する.症例は,27歳0妊0産婦で,前医でフォローされていた.妊娠30週頃より,意味不明な言動が続き急性錯乱状態となった.前医精神科を受診し閉鎖病棟入院が必要と判断され,妊娠32週に当院精神医療センターに医療保護入院となった.当初は精神症状が強く,産科病棟での分娩は困難と考えられたが,精神療法と薬物療法により症状も安定し,38週3日にて正常経膣分娩となった.分娩後,8週間の精神科入院後退院し,現在は母児ともに順調に経過している.精神疾患合併妊娠においては,充分な精神療法と薬物療法を行い,母体の精神症状が改善された状態では,産科病棟における分娩が可能であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 251-251, 2001


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