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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
子宮内膜症
大量性器出血で発症した子宮腟部子宮内膜症の1例


村田 知昭, 八木 修立郎, 河合 尚基
東部地域病院婦人科


 子宮内膜症は婦人科診療上,よく遭遇する疾患の一つであるが,その中でも子宮腟部に発生したものはまれである.今回我々は,大量の性器出血で発症し,診断された子宮腟部子宮内膜症の1症例を経験したので報告する.症例は36歳で4経妊2経産の女性.夜間に特に誘因なく大量の性器出血をきたした,との主訴で近医受診し,子宮腟部後唇裂傷の診断のもと当科に紹介,緊急受診となった.腟鏡診にて子宮腟部後唇に約1cmの裂傷を認めたため,縫合止血を行った.子宮頚管及び内膜細胞診は共にclass2であり,また病変部の生検では粘膜下出血が認められたのみで,原因は不詳であったが,止血されたため退院とした.外来にて経過観察中に,前回の出血の20日後に同様の大量性器出血をきたしたため,再度近医より紹介された.MRIを施行したが有意な所見は無く,原因は特定されなかった.悪性疾患を完全に否定する目的と,患者本人の希望により,子宮全摘術を行う事となった.術中所見では左卵巣に内膜症性嚢胞を認め,ダグラス窩で子宮後壁及び直腸と強固に癒着していた.術式は腹式単純子宮全摘術及び左付属器切除術を行った.術後病理診断では,子宮腺筋症,子宮内膜症であり,裂傷部の頚管に子宮内膜様の腺管構造の形成を認めた.以上より,今回の大量性器出血の原因としては,子宮腟部に発生した子宮内膜症組織が,血管を穿破した事が考えられた.このように大量の性器出血を主訴として受診した患者を診察する際には,外性子宮内膜症についても留意する事が必要であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 270-270, 2001


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