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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
子宮外妊娠(1)
卵巣腫瘍と鑑別を要した子宮外妊娠の1例


原田 美由紀, 高江 健太郎, 斎藤 真紀子, 藤原 敏博, 久具 宏司, 矢野 哲, 武谷 雄二
東京大学産婦人科


 今回われわれは,当初卵巣腫瘍を疑ったものの,画像診断から卵管妊娠が破綻することなく腫瘤として持続したものであると診断し,かつこれを腹腔鏡下に手術し得た症例を経験したので報告する.【症例】45歳4回経妊2回経産.下腹部軽度緊満感を主訴に近医を受診し,超音波検査上径8−9cmの内部が不均一な右付属器腫瘤が確認され,卵巣腫瘍の疑いで当科へ紹介受診となった.内診上右付属器領域からDouglas窩にかけて手拳大・弾性硬の腫瘤が触知され,経腟超音波検査では右卵巣実質に接して径7cm大の腫瘤を認め,かつその内部に長径2cmの胎児様の像を認めた.同様の所見はMRIでも認められた.また血中β-hCGは陰性であり,腫瘍マーカーではαFPのみが116ng/mlと高値を示した.その後1ケ月間で腫瘤の大きさは6cmに縮小し,またαFPも40台まで下降した.これらの臨床経過から悪性腫瘍は否定的であり,画像所見から子宮外妊娠が破綻せずに継続したものであると判断し,手術の方針となった.腹腔鏡下に腫瘤が右卵管の腫大したものであると確認した後周囲の癒着を剥離し,さらに卵管切除術を行った.腫瘤の原形をとどめかつ術創を最小限にするため,経腟的にDouglas窩を切開した上で腫瘤を腹腔外に摘出した.術後経過は順調で5日後に退院となった.またαFPも術後1ケ月で陰性化した.腫瘤は病理学的に卵管妊娠と診断され,胎児もほぼ完全な形で確認された.卵管妊娠が破綻せずに今回の様な大きさのまま継続した例は稀であり,子宮外妊娠症例におけるαFPの意義も併せて若干の文献的考察を加える.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 273-273, 2001


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