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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
手術・麻酔
全身麻酔導入時に咬筋強直が発生し心停止を引き起こした亜型悪性高熱症の1例


岡崎 隆行1), 北澤 正文1), 戸賀崎 義明1), 佐藤 博臣2), 山崎 祐2), 稲葉 憲之3)
国立横浜東病院産婦人科1), 国立横浜東病院麻酔科2), 獨協医科大学産婦人科3)


 悪性高熱症は重篤な麻酔合併症のひとつである.今回,全身麻酔導入時に亜型悪性高熱症を発症し,心停止に至った症例を経験したので報告する.症例は52歳,0妊0経・未婚,貧血(Hb 6.9g/dl)および子宮筋腫の診断にて,貧血改善と筋腫縮小化の後に手術目的で入院となった.術前検索で甲状腺腫の合併を認めたが,甲状腺機能は正常,CT scanで腺腫は気管の側方に位置していた.硬膜外カテーテル留置後,チオペンタール250mg,サクシニルコリン50mgにて麻酔導入を行ったところ,体温の上昇は認められなかったが咬筋強直(開口障害)が出現しマスク換気が全く不可能になった.血中酸素飽和度の急速に低下に引き続き心停止に陥り,心臓マッサージを行いながら気管切開術施行した.心停止時間は10数秒であったが,低酸素状態は15分程度持続した.蘇生術は成功し,当日の手術は延期となった.帰室後人工呼吸器管理としたが,幸いにも翌日には意識は完全に回復した.12日後,気切下に硬膜外および腰椎麻酔下に単純子宮全摘術施行した.術中出血量は251g,子宮重量は1490gであった.術後経過良好にて,手術後14日目(気切後18日目)退院となった.近年,麻酔導入時の筋弛緩剤は脱分極性の薬剤より非脱分極性のものが主流であるが,悪性高熱症という重篤な合併症を回避する意味でも脱分極性筋弛緩剤の使用を十分検討する必要性があると考えられた症例であった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 278-278, 2001


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