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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍(3)
Second look operation陽性にも関わらず長期生存した卵巣癌の1例


山田 和美, 角田 肇, 椎名 博子, 漆川 邦, 佐藤 奈加子, 沖 明典, 市川 喜仁, 吉川 裕之
筑波大学臨床医学系産婦人科


 卵巣癌はSecond look operation(SLO)で腫瘍が残存していた場合の予後は極めて不良である.今回我々はSLOが陽性であったにも関わらず長期生存した卵巣癌症例を経験したので報告する.症例は23歳,0回経妊0回経産婦.1989年6月,腹部膨満を主訴に近医を受診し,巨大卵巣腫瘍の診断で当院を紹介初診となった.剣状突起付近までを占める多胞性卵巣腫瘍で,術前腫瘍マーカーはCA19−9は134500IU/ml,CA125 96IU/mlであり,粘液性嚢胞腺癌が強く疑われた.同年7月18日手術施行.4600gの左付属器摘出摘出術を行い,迅速病理で粘液性嚢胞腺癌と診断されたために引き続き単純子宮全摘術,右付属器摘出術,大網部分切除術,骨盤及び傍大動脈リンパ節廓清術を施行した.腹水細胞診Class V,対側卵巣,後腹膜リンパ節にも転移を認め,術後診断はT1cN1MoのIIIc期であった.術後補助化学療法としてCAP療法を5コース施行したところ,CA19−9は3コース終了後103IU/ml,5コース終了後は51IU/mlと下降し,CT上も明かな腫瘍を認められなかった.治癒判定のために1990年1月9日にSLOを施行した.ダグラス窩に白色の小腫瘤を認め,組織学的も粘液性癌と診断され,治癒に至らなかったと判断された.このために1990年3月より3ヶ月に一回のCDDP単独維持療法を1991年6月まで合計4コース施行した.その後は定期的に外来受診しているが初回治療開始後11年経過した現在も再発徴候なく健在である.本症例のようにSLOが陽性でも残存腫瘍が微小な場合,その判定は困難であり,必ずしも予後を反映しているとは言えないと考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 295-295, 2001


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