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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
卵巣腫瘍(4)
腹腔内出血で発症した卵巣癌の一例


信田 政子1), 宮本 壮1), 近藤 朱音1), 安井 功1), 新井 正1), 村上 優1), 篠塚 孝男2), 牧野 恒久1)
東海大学医学部母子生育学系産婦人科1), 東海大学付属大磯病院産婦人科2)


 腹腔内出血で発症した卵巣癌を経験したので報告する.症例は56歳,0妊0経.主訴は嘔吐と貧血,現病歴として,他院にて人口股関節脱臼にて整復しその後入院中であったが,平成13年5月18日突然嘔吐を認め,同時に急激に進行する貧血を認めたため精査目的に同日前医受診する.前医での検査にて左卵巣腫瘍,腹腔内出血を認め,精査加療目的で当院紹介搬送された.既往歴は,平成11年両側人工股関節置換術施行,家族歴は特記すべきことなし.当院来院時所見としては,腹部膨満著明,血圧106/70mmHg,脈拍120/min,血液検査所見としては,WBC10900/mm3,RBC205万/mm3,Hb5.9g/dl,Ht17.3%,血液型A型Rh(−),CT等の画像診断の所見としては腹腔内に多量のfluid collectionを認め,子宮左側に径10cm大の腫瘤を認めた.卵巣腫瘍破裂,腹腔内出血の診断にて緊急手術を施行した.開腹時所見は,子宮は鵞卵大,左卵巣は約10cm大に腫大し,破裂した状態であり,内腔より出血を認めた.骨盤腔内は凝血塊で満たされ,腸間膜,大網には最大3cm大の腫瘤が散在していた.腹腔内出血は凝血塊も含め約3000mlで,術中のHbは最低3.7g/dlまで減少した.手術内容は左付属器切除,腸間膜腫瘤切除術を施行した.術後の病理組織診断は漿液性―胞腺癌であった.術後の経過としては,CDDPを100mg/m2を腹腔内投与し,その後全身療法としてTJ療法2クール施行し根治術を行う予定である.卵巣癌で血性腹水が見られることは日常臨床においてよくみられるものであるが,腹腔内出血を起こし急性腹症として緊急手術となることは意外と少ないのではないだろうか.症例報告もいくつか散見されるので,文献的考察も含め報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 296-296, 2001


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