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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
その他の腫瘍(1)
卵巣癌として治療し,興味深い臨床経過をたどった悪性腹膜中皮腫の一例


山口 万紀子, 大石 晃良, 鈴木 留美, 岡田 喜親, 望月 修, 宇津 正二, 野田 恒夫
聖隷三方原病院産婦人科


 悪性腹膜中皮腫は比較的稀な疾患であり,臨床症状や画像診断上も特有な所見は無く,診断に苦慮することが多い.また有効な治療法も確立しておらず,予後は不良である.今回われわれは,卵巣癌3c期の疑いで化学療法をおこない,一時完全寛解したものの再発し,その後手術にて摘出に成功した悪性腹膜中皮腫の一症例を経験したので報告する.症例は73歳,女性,3G3P.平成11年7月腹部膨満にて内科入院.大量の腹水(細胞診は腺癌)が貯留し,MRIでは小骨盤腔を占拠した多房性の腫瘍を認め,消化管を巻き込んでいる可能性と,骨盤リンパ節の腫大もあった.卵巣癌3c期の疑いで婦人科に転科し,先ず化学療法とした.TJ療法を6コース施行したところMRI上は腫瘍は完全に消失したが,2ヶ月後には腹腔内に再発腫瘍が出現し,急速増大した.その後Weekiy Taxol療法 6コース,TJ療法 6コース,CPT-11+CBDCA療法 1コース施行するも無効であった.腫瘍の増大で腹部圧迫感が強くなったため,症状の緩和と原発巣の検索目的で,平成13年5月試験開腹をおこなった.腹腔内は大網由来と思われる多房性の腫瘍で占拠されていた.消化管との癒着を認めるも,腫瘍摘出は可能で,総重量6375gであった.病理診断は悪性腹膜中皮腫であった.術後経過は良好で外来経過観察中である.悪性腹膜中皮腫の治療としては,限局したものでは外科的切除が第一選択であるが,切除困難なことが多い.化学療法ではCDDPやMMCを用いた例もあるが,いずれも予後不良である.本症例はTJ療法で一時完全寛解を認めており,悪性中皮腫へのTJ療法の有効性が示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 301-301, 2001


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