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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
妊娠合併症(婦人科疾患)
転移性卵巣腫瘍合併妊娠の一例


菊地 範彦, 小口 治, 仲井 育子
厚生連佐久総合病院産婦人科


 わが国における卵巣癌中の転移性卵巣癌の頻度は諸外国より高く10〜15%とされており,臨床経過,肉眼所見,病理検査等で典型的ではないものや納得のいかないものについては,その否定は特に必要であると考えられている.今回我々は,胃癌からの転移性卵巣腫瘍いわゆるKrukenberg腫瘍合併妊娠の一例を経験したので文献的な考察もふまえ報告する.症例は3回経妊3回自然流産の初産婦.妊娠初期に悪阻症状はほとんどなく,貧血も認められなかった.転居に伴い妊娠15週から当院にて妊娠管理となっており,妊娠30週2日左下腹部痛が出現し切迫早産の診断にて入院となっている.入院後,左側腹部に手拳大の腫瘤を認めるようになった.腫瘍マーカーはCA19-9のみが上昇しており,その後も腫瘤の増大,腹水の貯留およびCA19-9の上昇を認めたため,妊娠37週0日に帝王切開術を施行した.腫瘍は左付属器原発の充実性腫瘍であり,被膜破綻も認められた.他に腹腔内病変を認めなかったため,左付属器切除術のみを行い閉腹とした.術後,CA19-9は低下したが,摘出物の病理検査にて印環細胞が確認されたため上部消化管内視鏡検査を施行.この結果,胃に原発病巣と思われるボールマン3型の進行癌を認めた.妊娠中の胃癌はその症状と妊娠に伴う症状が似ていること,および妊娠中は検査手段も減ってしまうことから,どうしても発見が遅れる事が多いようである.また妊娠中の胃癌は,非妊時や男性の胃癌より進行が早いという報告もあり,若年女性には硬性癌(スキルス)が多いことからもその早期発見が必要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 243-243, 2002


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