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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
妊娠合併症(心疾患)
拡張型心筋症を合併した妊産婦4症例の検討


村山 敬彦1), 照井 克生2), 林 正敏1), 斉藤 正博1), 林 直樹3), 馬場 一憲1), 竹田 省1)3)
埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター1), 同周産期麻酔部門2), 埼玉医科大学総合医療センター産婦人科3)


[緒言]妊娠に関連した拡張型心筋症の発症は,1870年にVirchow and Porakから発表されて以来,周産期心筋症として多くの報告がなされてきた.しかし,より詳細な検討がなされるに従い,pregnancy-induced cardiomyopathyと思われていた症例の多くに心筋炎をはじめとする基礎疾患の存在が証明され,未だ周産期心筋症の診断基準に統一した見解が得られていない.2000年2月に当センターが開院して以来,拡張型心筋症合併妊産婦を4症例経験した.[症例]30歳.0回経妊0回経産.前医を36週1日初診.初診時,血圧156/93mmHg,尿蛋白30mg/dl.妊娠38週1日,血圧172/103mmHg,尿蛋白230mg/dl,全身浮腫(+).妊娠39週0日,オキシトシンによる分娩誘発を施行.妊娠39週1日,帝王切開分娩となった.術中,SpO2が一時的に94%まで低下し,術後,酸素マスク8L/min投与下でSpO2 88%まで低下した.術後1日,room airでSpO2 98%まで改善したため,酸素投与中止.術後2日より再度SpO2低下し,術後6日,酸素マスク10L/min投与下でSpO2 84%まで低下したため,当センターに搬送となった.搬送時の心臓超音波検査で,EF 32%,拡張期左室径64mm,収縮期左室径54mmと拡張型心筋症による左心不全を呈していた.右心不全の所見はなかった.肺血流シンチグラムで両肺野に多発欠損が認められ,両側多発肺塞栓症を認めた.気管挿管下に除水とDOA,DOB投与を開始し,ヘパリンによる抗凝固療法を開始した.術後7日に抜管し,術後12日に酸素投与中止,術後22日よりワーファリン開始,術後31日に左心機能はEF 50%に改善し退院となった.[結語]本症例を含めた4症例の経過を提示し,その診断と治療について文献的考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 254-254, 2002


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