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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
卵巣悪性腫瘍1
卵巣癌原発Sister Mary Joseph's noduleの1例


鏡 一成, 宮本 純孝, 塚越 俊夫, 西村 俊信
群馬県立がんセンター婦人科


 内臓悪性腫瘍より臍部に出現する転移性腫瘍はSister Mary Joseph's noduleと呼ばれる.稀な疾患であり原発巣は消化器系が約半数を占める.このうち卵巣癌原発は16%程度で婦人科領域の中では最も頻度が高い.当学会において1997年と1998年に合計3例が報告されている.今回,左卵巣癌原発と考えられたSister Mary Josph's noduleを1例経験したので報告する.症例は72歳女性,2回経妊2回経産,44歳時に子宮筋腫の診断で他医において子宮膣上部切除+右付属器切除術実施されている.特記すべき既往症はない.2001年10月より臍部腫瘤に気づき,近医外科受診したところ臍部腫瘤とともに超音波下に骨盤内腫瘤を指摘され,当科受診となった.初診時,臍部直下に鶏卵大の可動性良好な腫瘤を触れ,臍部皮膚は硬貨大に欠落し悪臭を伴う分泌物が認められた.腫瘍マーカーは陰性であった.擦過細胞診で腺癌と診断.一方骨盤腔内に手拳大で不整な固形部分を伴う嚢胞様エコーを得た.開腹手術施行するも腹腔内は播種および癌性癒着が著しく試験開腹に終わった.同時に臍切除施行,腹腔内の生検組織と一致する類内膜腺癌が病理組織診で確認された.術後パクリタキセル+カルボプラチンによる化学療法を6コース実施後Second surgery施行,化学療法効果はPRであり直腸浸潤が認められたため左付属器切除+直腸前方低位切除術施行した.現在週1回パクリタキセル単独投与実施しつつ経過観察中である.Sister Mary Joseph's noduleが認められた場合,原発巣,播種及び他の転移病巣の状況,患者の一般状態を考慮にいれて治療されるが,本例の一般状態は良好であり積極的治療を選択した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 258-258, 2002


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