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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
その他の腫瘍1
偽性嚢腫と術前診断された成人腸間膜嚢腫の一例に関する考察


梅崎 泉, 樋田 一英, 河村 藍子, 房野 加奈子, 伊地知 律子, 岡村 恵子, 矢島 正純, 太田 博明
東京女子医科大学産婦人科


 腸間膜嚢腫とは腸管膜内に形成された嚢腫を総称し,組織学的にはリンパ管腫が多くを占めるとされている.大半が10才以下の小児に発生し,成因としては胎生期のリンパ組織の迷入やリンパ管の閉塞等の先天的な原因によるとする説が有力である.その頻度は1/10万〜20万人で,特に成人では稀な疾患とされている.今回,開腹手術やPIDの既往のない成人女性で,画像にて偽性嚢腫を疑い,開腹術を施行した.その結果,S状結腸の腸間膜嚢腫と診断された一例を経験したので,術前診断および組織診断に関する考察を加えて報告する.【症例】30才,0経妊0経産.既往歴・家族歴は特記すべきものなし.1年前からの下腹部鈍痛を主訴に初診.内診および経腟超音波上,子宮後方に10cm大の柔らかい腫瘤を認めた.MRI上はT1強調像にて低信号,T2強調像にて高信号を呈し,隔壁を伴う不整形の形態から偽性嚢腫を疑い,開腹手術を施行した.開腹時,子宮・付属器に異常所見はみられず,嚢腫はS状結腸間膜より発生していた.嚢腫は周囲臓器との癒着なく容易に摘出可能であった.嚢腫内容は漿液性透明で,嚢腫壁は一層の立方状ないし扁平な上皮細胞で構成されており,脂肪組織と平滑筋組織を一部に含んでいたが,明らかなリンパ管の拡張像やリンパ組織はみられなかった.嚢腫壁を構成する細胞は免疫染色により腹膜中皮と同定された.また嚢腫内容液のCA125値は190,000U/mlと異常高値を示し,中皮細胞の産生によるものであることを支持するものであった.以上から本症例の腸間膜嚢腫は中皮腫由来が強く示唆された.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 279-279, 2002


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