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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
感染症
産婦人科における術前診断困難であった虫垂穿孔後骨盤内膿瘍の2例


小林 優子, 島貫 洋人, 島 絵美里, 会田 拓也, 武内 裕之, 木下 勝之
順天堂大学産婦人科


【緒言】産婦人科領域において急性虫垂炎は急性腹症の鑑別疾患の1つであるが,経過が長期化すると診断・治療に苦慮する場合が少なくない.産婦人科疾患を疑い手術を行った虫垂炎の2例を経験したので報告する.【症例1】16歳,0経妊0経産.平成14年3月8日腹痛・下痢を主訴に近医受診.虫垂炎の所見はなく急性腸炎の診断で絶食・抗生剤投与により経過観察していたが,症状改善しないため3月29日婦人科的疾患を疑われ当科受診した.骨盤MRIでダグラス窩に約8cmの腫瘤を認め,左卵管留膿腫を疑い翌3月30日腹腔鏡下手術を施行した.虫垂が穿孔しダグラス窩膿瘍を形成していた.【症例2】26歳,2経妊2経産.平成11年皮様嚢腫摘出の既往がある.平成14年3月20日(妊娠21週)悪心・嘔吐に続いて陣痛様の腹痛を自覚し破水後死産となった.その後も腹痛が持続し10日後に約8cmの卵巣嚢腫を指摘され5月8日当科受診した.画像診断では膀胱子宮窩に皮様嚢腫様の腫瘤を認め,再発・茎捻転を疑い6月10日腹腔鏡下手術を施行した.膀胱子宮窩に小腸・虫垂・腸間膜が癒着し膿瘍を形成していた.両症例とも腹腔鏡下に癒着剥離を行ったが,腸管穿孔が疑われたため開腹手術が必要となった.【結語】骨盤内膿瘍を伴う骨盤腹膜炎は,婦人科疾患だけでなく虫垂炎が原因疾患であることも多い.産婦人科で診る急性腹症の診断には常に虫垂炎を鑑別すべきである.また腸管癒着を伴う膿瘍に対する腹腔鏡下手術の完遂は困難であると思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 320-320, 2002


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