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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
卵巣腫瘍(2)
当科におけるDocetaxel+Carboplatin併用療法(DJ療法)の臨床的検討


藤井 和之, 高野 政志, 岡本 三四郎, 芝崎 智子, 斉藤 恵子, 田中 壮一郎, 喜多 恒和, 戸出 健彦, 菊池 義公
防衛医大産婦人科


 (緒言)当科では上皮性卵巣癌のうち漿液性腺癌,類内膜腺癌に対し,First-lineでCAP療法とともにTJ療法を施行してきた.しかし,Taxolの神経毒性は高頻度に発現し,患者のQOLに影響を及ぼす.そこで同じタキセン系のDocetaxelとCarboplatinの併用化学療法(DJ療法)を,2001年以降11例に施行したので,奏効度および薬物有害事象について臨床的に検討した.(対象)2001年以降,当科で初回手術を施行しDJ療法を施行しかつインフォームドコンセントが得られた上皮性卵巣癌患者11例.患者年齢は45〜75歳(平均60.4歳)で,組織型はSerous6例,Endometrioid 5例であった.11例のうちOptimal ope 3例,Suboptimal ope 8例であった.投与直前のPSはすべて1以下であった.なお,Docetaxel 70mg/m2,Carboplatin AUC 6で3週間隔投与した.薬物有害事象は日本癌治療学会薬物有害事象判定基準に従った.(結果)CR3例,PR5例,NE3例で奏効度は100%であった.血液毒性はGrade4の好中球減少が8例(72.7%)と高頻度に出現し,Grade3以上のヘモグロビン減少は3例(27.2%)にみられ,Grade3以上の血小板減少は認めなかった.11例のうち4例が投与遅延となったが,いずれも1週間以内での投与が可能であった.なお重篤な非血液毒性は出現せず,対症療法で対処可能であった.(結論)上皮性卵巣癌のFirst-line chemotherapyとしてのDJ療法は,特に血液毒性に注意が必要であるが,有用でかつ比較的安全に施行できると思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 167-167, 2003


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