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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
卵巣腫瘍(4)
妊娠中に発見されたmassive ovarian edemaの一例


田中 逸人, 桃井 満礼, 百村 麻衣, 野口 顕一, 勝又 木綿子, 塩川 滋達, 高橋 康一, 岩下 光利, 中村 幸雄
杏林大学産婦人科


 massive ovarian edemaは,一側性時に両側性の腫瘍様卵巣腫大で卵巣の間質に蛋白成分を含む水溶液が貯留し,間質は分断され,その間に卵胞が散在性に残存する状態で,若年女性に発症するとされるが,極めて稀な疾患で病態生理など不明な点が多い.今回,我々は妊娠中に増大したmassive ovarian edemaを経験したので報告する.症例は,35才,0経妊0経産.平成5年より不妊症治療のため当院不妊外来に通院していた.平成11年3月に右卵巣に径6cmの卵巣腫瘍を認めたが増大傾向はなく,腫瘍マーカーも陰性のため経過観察となった.平成14年4月にMRI検査において,径10cmと腫瘍の増大を認めたが,挙児希望が強く経過観察としたところ,平成14年6月28日を最終月経とし妊娠となった.妊娠経過中に超音波検査において腫瘍の増大を認めたため組織生検を目的に,平成14年9月26日,妊娠12週5日に経腟超音波検査下で卵巣腫瘍穿刺吸引術を試みたが,吸引困難で内溶液および組織採取ができなかった.平成14年9月27日,妊娠12週6日に腫瘍摘出を目的に開腹手術を施行した.右卵巣は径12cm大に腫大しており,肉眼的に正常卵巣組織を認められたため卵巣腫瘍核出術を施行した.摘出した腫瘍は表面平滑で,割面は黄色ゼリー状で軟であった.病理組織検査では,著明な浮腫を伴う卵巣腫大で,組織学的に皮質は繊維性にやや厚くなり,原始卵胞,多数の小型の卵胞および黄体が認められた.卵巣の中心部は著明な浮腫がみられ卵巣腫大の原因と考えられた.手術後,妊娠経過に異常を認めず外来にて経過観察中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 172-172, 2003


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