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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
その他の腫瘍(2)
術前に診断し完全切除が可能であったIntravenous Leiomyomatosisの一例


杉本 雅樹1), 角田 肇1), 豊田 真紀1), 佐藤 豊実1), 沖 明典1), 佐々木 純一2), 軸屋 智昭3), 吉川 裕之1)
筑波大学産婦人科1), 総合守谷第一病院産婦人科2), 筑波大学循環器外科3)


 Intravenous Leiomyomatosis(IVL)は骨盤内静脈から下大静脈まで進展する良性な平滑筋腫瘍で非常に稀な疾患である.病理学的に良性であり,治療は腫瘍の完全摘除が第一選択である.多くの報告は子宮摘出後に診断されたものである.今回我々は術前に診断し,一期的に完全切除ができたIVLの一例を報告する.症例は46歳2回経妊2回経産婦で腹部膨満感を主訴に前医を受診.急速に増大し右基靭帯の肥厚を伴う巨大腫瘤であったため,術前CTを施行したところ下大静脈内に腫瘍影を認め,IVLが疑われ当科紹介となった.内診上右基靭帯の肥厚を触れ,腹部CT,下大静脈造影にて腎静脈分岐部上5cm達する複数の静脈内腫瘤を認めた.また,術前の肺血流シンチでびまん性肺梗塞を認めたが,血液ガスを含めた肺機能には異常を認めなかった.手術は経食道エコーモニター下に循環器外科により腎静脈分岐部より上の腹部大静脈の腫瘍栓を切除した後,単純子宮全摘,両側付属器摘出,右基靭帯切除,右卵巣静脈切除を行なった.基靭帯の静脈内,右卵巣静脈内はIVLで充満しており,これらを完全摘除した.病理診断も多発子宮筋腫とそれに連続するIVLだった.以上より,右基靭帯内の深部子宮静脈に侵入し,右内腸骨静脈,右総腸骨静脈を経て下大静脈に達したものと,右卵巣静脈を介して下大静脈に達しているものが共存することが明らかとなった.本症例は初診時の直腸診で基靭帯の肥厚を認め,腹部CTを撮影したことがIVLの診断につながった.したがって,子宮筋腫の初診時にも傍結合組織に異常所見を認めた場合積極的に本疾患を念頭に置くべきであると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 189-189, 2003


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