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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
その他の腫瘍(2)
回腸部分切除術を施行したGIST(Gastro Intestinal Stromal Tumor)の2症例


住友 るりこ, 仲村 三千代, 大谷 貴美, 吉永 浩介, 諸原 雄一, 清水 徹郎, 対木 章
国立水戸病院産婦人科


 最近,新たな疾患概念として提唱された消化管間葉系腫瘍であるGastrointestinal stromal tumor(GIST)は腹腔・骨盤内の充実性腫瘍の中では比較的稀な疾患である.今回,我々は術前に卵巣腫瘍等の婦人科腫瘍との鑑別診断が困難であった小腸原発GISTの2症例を経験したので,文献的な考察を加えて報告する.【症例1】76歳,下血を主訴に当院外科受診.胃・大腸内視鏡検査等で異常を認めず,CTにて石灰化子宮筋腫および充実性,嚢胞性構造の混在する長径11cmの骨盤内腫瘤を認め,悪性卵巣腫瘍の疑いで当科紹介.平成13年6月13日開腹術を施行,腫瘤は小腸壁から有茎性に伸びた静脈怒張が著明な腫瘍であり,単純子宮全摘術に加えて回腸部分切除術を施行した.開腹所見・術後病理組織検査でGISTと診断された.現在,経過良好で外来観察中である.【症例2】60歳,腹痛と発熱を主訴に近医受診.新生児頭大の骨盤内腫瘤を認め,当科紹介.胃・大腸内視鏡検査では異常を認めずCT・MRIは子宮の頭腹側に長径8cmの嚢胞・壊死を疑わせる造影不良域を伴う腫瘤性病変を認め,腹水及び腹腔内の脂肪濃度上昇もあり,腹膜播種を伴う卵巣癌・癌性腹膜炎が最も疑われた.平成15年2月5日開腹術を施行,腹腔は炎症所見が強く癒着も強固であり,S状結腸・回腸の癒着剥離術を施行し,小腸腸間膜由来の腫瘍を確認し,回腸部分切除術を施行した.開腹所見・術後病理組織検査でGIST(低悪性度)と診断された.今後は外科にて経過観察の予定である.【結語】術前診断は必ずしも容易ではないが,腹腔内腫瘤性病変の診断・治療の際には消化管間葉系腫瘍であるGISTを念頭に置く必要が考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 190-190, 2003


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