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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
内膜症・その他
当科における卵巣出血133例からの考察


小野 恵里奈, 樋田 一英, 岡本 弥生, 岡野 浩哉, 矢島 正純, 安達 知子, 太田 博明
東京女子医科大学産婦人科


 <目的>卵巣出血は産婦人科における腹腔内出血の原因疾患として子宮外妊娠に次いで多い.1500ml程度の出血までなら保存的に経過をみることもできるとの報告もあり,無用な開腹を避けるために適切な判断を要する.今回我々は,当科の卵巣出血例につき検討した.<対象>’91〜’02年の12年間に当科で卵巣出血と診断した133症例を対象とした・<結果>年齢は16〜49歳で平均25.9歳.そのうち入院を要した症例は95例で,入院後保存的治療例は48例(50.5%),手術的治療例は47例(49.5%)であった.発症に性交渉が明らかに関係あった症例は41.4%であった.症状は下腹痛が97.8%と多く,時間外受診は60%をしめ,他科からの紹介は53.3%であった.ワーファリン投与中は4例,透析中は3例であった.来院時の経腟エコー上のダグラス窩深度は平均3.8cm(1.1〜9.5cm)で,外来通院症例,入院管理の保存症例,手術症例で差は認めなかった.また来院時のHbも3群で差は認めなかったが,入院後の1日あたりのHb低下の割合いは,入院・保存的治療例で平均1.05g/dl/日,手術療法例で平均3.7g/dl/日と有意差を認めた.手術症例の腹腔内出血量は平均583.7mlであった.<考察>卵巣出血は生殖可能な比較的若い女性で,性交渉に関連して発症することが多く,病歴聴取の際に性交渉の有無は診断に参考になると考えられた.ダグラス窩深度は出血量とある程度は相関するが,測定手技による誤差が大きく出血量の正確な推定は困難であると考えられた.入院後の自他覚症状の変化など病態により保存的治療か手術療法かが決定されたが,両者には入院後のHb低下率に差が認められ,Hb低下率は治療法の選別に有用であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 195-195, 2003


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