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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
妊娠・分娩(1)
眼窩静脈瘤合併妊娠の一例


永石 匡司, 阿部 誠司, 水谷 美貴, 大亀 幸子, 高木 健次郎, 本田 利江, 長田 尚夫, 津端 捷夫, 山本 樹生
日本大学(駿河台日本大学病院)産婦人科


 眼窩静脈瘤は全眼科疾患の15万分の1とされ,20-30才代に発生することが多いものの,本疾患合併妊娠の報告は稀である.今回我々は,眼窩静脈瘤合併妊娠の一例を経験したので若干の文献的考察を加えてここに報告する.症例は29才,初妊初産で,幼児期より眼球突出を認めていたが,近医では診断されていなかった.12才時に当院眼科を紹介され,本疾患の診断となり,定期的に外来通院していた.視力は左右とも1.5で眼圧は左右15/17mmHg,Hertel眼球突出計による突出度は立位で左右14/14mm,前屈位で21/14mmと著明な突出を認めた.左眼周囲には静脈の怒脹が認められていた.眼窩静脈瘤は妊娠,分娩を契機に破裂する危険性があり,避妊を指導していた.ところが最終月経を平成14年4月25日より7日間として妊娠の診断となり,挙児希望が強く,失明の危険性を了承して妊娠を継続することとなった.妊娠初期では5週時に性器出血を認めたが,安静および止血剤投与にて症状は軽快した.妊娠34週で感冒に罹患し,眼痛と眼球突出を認め,35週時には便秘と痔疾による出血を認めたが,対症療法にて軽快した.下肢の浮腫や静脈瘤は認めなかった.胎児発育はほぼ良好であったが,羊水量はやや減少していた.妊娠38週に分娩時の頸静脈圧上昇を防ぐ目的で選択的帝王切開術を施行,2778g,Apgar score 8の女児を娩出,児には明らかな異常を認めなかった.分娩後は臥床時および授乳,沐浴時に眼痛や眼球突出を認めるようになったが,適宜体位の指導により増悪はなかった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 205-205, 2003


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