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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
妊娠・分娩(1)
リンパ球性下垂体炎合併妊娠の1例


坂本 理恵1), 長田 久夫1), 飯塚 美徳1), 増田 健太郎1), 加来 建志1), 関谷 宗英2)
千葉大学附属病院産婦人科1), 千葉大学大学院医学研究院生殖機能病態学2)


 リンパ球性下垂体炎は,非肉芽腫性でび慢性のリンパ球浸潤を特徴とする下垂体の慢性炎症性疾患であり,自己免疫疾患と考えられている.1962年GoudieとPinkertonによって初めて報告され,典型的には妊娠(特に後期)や産褥期の女性が,視力視野障害や頭痛を来し,下垂体腫瘍との鑑別が問題となる疾患である.本質的には良性疾患であり自然緩解する例もあるが,炎症の後遺症として著明な下垂体前葉機能低下症や汎下垂体機能低下症に移行するとされる.治療法は,ホルモン補充目的と同時に抗炎症作用を期待してのステロイド投与であり,これが無効なものに対しては,手術療法が適応となる.我々は,妊娠中に発症した本症合併妊娠を周産期管理という貴重な経験をしたので報告する.症例は,29歳.1経妊1経産.家族歴に特記すべき事項なし.妊娠14週ごろより,視力障害・頭痛が出現し,眼科精査にて視野狭窄,脳神経外科精査にてMRI検査上18〜19mmの下垂体のびまん性で対称性腫大を認め,本症と診断.内分泌異常は認めず.抗核抗体弱陽性であったが,他の自己免疫疾患の合併なし.19週よりステロイド療法開始し,1週間後には視野障害・頭痛軽減するも腫瘤は消失せず,減量にて腫瘤径増大するため,妊娠中はステロイド療法を継続.妊娠38週1日にて,前回帝王切開術の適応にて帝王切開し,2155gの男児をAPS 9/9点にて娩出した.児はSFDで多指症を合併するも,その他異常を認めず,経過良好.母体は現在術後経過観察中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 207-207, 2003


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