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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
妊娠・分娩(4)
常位胎盤早期剥離,IUFDで母体搬送され,緊急帝王切開施行後,腹式単純子宮全摘術を施行した一例


横山 幸代, 佐藤 智之, 小泉 仁嗣, 上原 奈美子, 藤野 剛, 高橋 祐子, 木戸 浩一郎, 矢後 尚文, 笹森 幸文, 篠塚 憲男, 綾部 琢哉, 森 宏之
帝京大学総合周産期母子医療センター産婦人科


 【症例】27歳,1G0P.妊娠経過中とくに異常を指摘されていなかった.3日前からの腹痛と性器出血を主訴に前医初診し,妊娠33週4日,常位胎盤早期剥離疑い,IUFDの診断にて当院へ母体搬送された.入院時,意識清明,血圧110/72mmHg,脈拍86/分,顔面蒼白,腹壁板状硬,持続性の性器出血あり,子宮口1cm開大,この時点ですでにDICを発症していた.超音波断層法にて胎盤後血腫像(+),胎児心拍(-)のため,常位胎盤早期剥離,IUFDと診断,ただちに帝王切開術を施行した.1795gの女児死産.肉眼的に子宮筋層のapoplexyが著明であった.胎盤は完全剥離の状態であり,全面に血腫が付着していた.胎児胎盤娩出後,収縮促進処置を行ったが子宮が収縮せず,出血が持続し循環動態維持困難となったため,子宮全摘術のやむなきに至った.術中出血量6000ml,術中より輸血,抗凝固療法を開始し,3日目にDIC離脱,15日目退院となった.【考察】早剥時の処置の遅れは母体の予後を著しく悪くするため,発症時期や術中所見によって,子宮摘出に踏み切るべきか否かについての迅速かつ適切な判断が必要となる.重症の早剥では,子宮を温存することでDICから離脱できず,出血性ショックやMOFに陥り母体死亡をきたすこともある.その原因として,胎児胎盤だけでなく子宮そのものがDICのfocusになっていることが考えられ,子宮局所での血管内皮細胞障害などを背景にして凝固線溶系の異常をひきおこすことになるのではないかと推察される.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 215-215, 2003


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