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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
妊娠・分娩(5)
帝王切開後瘢痕部妊娠を反復した一症例


長谷川v潤一, 市塚 清健, 白土 なほ子, 飯塚 千祥, 藤田 寛子, 吉江 正紀, 杉藤 祐美, 松岡 隆, 大槻 克文, 関沢 明彦, 岡井 崇
昭和大学産婦人科学教室産婦人科


 帝王切開後瘢痕部妊娠は稀な異所性妊娠のひとつであり近年その報告が散見される.今回我々は本疾患を反復した極めて稀な症例を経験したので報告する.【症例】32歳,3経妊3回帝王切開.2002年2月18日,不正出血を主訴に来院.経腟超音波にて前回帝王切開部に胎嚢を認め,膀胱との境界は菲薄化,膀胱側に膨隆していた.CRL 22.1mmの心拍陰性の胎児を認め,帝王切開後瘢痕部妊娠,稽留流産と診断した.子宮壁菲薄化のため子宮内容除去術はリスクが高いと判断し,胎嚢内にMTXを局注する方針とした.経腟超音波ガイド下に子宮頚管前壁より胎嚢に穿刺,内容吸引後MTX 50mg/6mlを局注した.MTX投与後20病日には,処置前6140IU/lであった尿中hCGが25IU/lと低下し,胎嚢も縮小.投与後3ヶ月で月経周期も正常となり終診とした.11月1日,最終月経9月2日以来の無月経を主訴に来院.経腟超音波にて,前回同様に子宮前壁にCRL 17mmの胎児を含む胎嚢を認め,膀胱側に膨隆していた.帝王切開後瘢痕部妊娠と診断,前回同様にMTXの胎嚢内局注の方針とした.今回は胎児心拍陽性のためKClを胎児心臓に局注後,MTX 50mg/5mlを胎嚢内に投与した.37690IU/lであった尿中hCGは,第21病日には陰性化し,胎嚢も消失した.1ヶ月後には月経も発来した.【考察】帝王切開後瘢痕部妊娠において,保存的治療ののち生児を得たとの報告はあるものの,本疾患を反復した症例報告は初めてである.本症例では治療として,子宮穿孔や膀胱損傷を起こす危険性が高いため子宮内容除去術を避け,MTXの局注療法を行い,2度とも保存的に治療し得た.この症例をふまえ文献的考察を加え報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 216-216, 2003


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