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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
産褥
妊娠9ヶ月末に突然多量の蛋白尿が出現し,分娩後弛緩出血のため子宮摘出を余儀なくされた一例


村木 百合子, 片山 恵利子, 鈴木 雅美, 北村 誠司, 竹原 祐志, 川越 信隆, 杉山 武
医療法人財団荻窪病院産婦人科


 妊娠中毒症の症状のうち蛋白尿は全身状態への影響は比較的少ないといわれている.今回我々は,妊娠9ヶ月末に突然多量の蛋白尿が出現し,分娩後弛緩出血のため子宮摘出を必要としたが,幸いDIC等は併発せずに経過した症例を経験したので報告する.症例は31歳で,0回経妊0回経産.平成13年12月15日を最終月経にて自然妊娠.特変なく経過していたが,妊娠35週の検診時に血圧上昇(144/76)と蛋白尿2+を指摘.36週には蛋白尿4+を認め,入院管理とした(血圧は146/85).入院後の一日尿蛋白が7.9g,翌日8.4gであったため,ターミネーションが必要と診断し,妊娠37週2日に帝王切開を施行.(手術前日の尿蛋白は13.0g/日に達していた).術中子宮筋層に易出血性の部分があったが,出血量800g(羊水込)にて終了.児は2456g♂,Ap10.帝切術後30分に性器出血は少量であったが,術後90分の観察時に出血350gを認め,以後1時間にさらに550g出血.子宮底臍上2横指と収縮不良で,子宮収縮剤,双手圧迫,輸血を施行するも出血の軽減は全く認められず,子宮摘出が必要と判断し,子宮膣上部切断術を施行した.帝切から子宮摘出までの出血量は2500g,MAP1200mlを輸血.摘出子宮の内腔には,凝血塊が多量に付着し,子宮壁は全体に血液が浸潤し脆弱化していた.術中・術後には特に出血傾向は認めなかった.術後すぐに一日尿蛋白は5g前後まで軽減したが,それ以下に減少せず,術後9日目にレニベース,ペルサンチン内服を開始.その後次第に蛋白尿は減少し(術後20日目:1.9g/日),23日目退院となった.現在内科にて管理中であり,術後3ヶ月の一日尿蛋白は0.8〜0.9gで推移している.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 226-226, 2003


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