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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
産褥
産褥期に急性発症したSLEの一症例


黒田 陽子, 島内 昌仁, 小泉 佳男, 江口 勝雄, 川端 正清
同愛記念病院産婦人科


 SLE合併妊娠では妊娠中にしばしば病状が増悪することが知られているが,産褥期の急性発症の報告は少ない.今回我々は産褥期に心タンポナーデを初発症状として発症したSLEの症例を経験したので報告する.症例は25歳,0経妊0経産.妊娠経過に特に異常はみられなかった.妊娠38週0日,前期破水にて入院.陣痛発来ないまま,翌日(38週1日)胎児心拍陣痛図にてnon-reassuring fetal statusの所見を認めたため,同日帝王切開術を行い,2458gの男児(Apgar Score 1分後9点)を得た.児には生後特に異常を認めなかった.術翌日より術後5日目まで39℃前後の発熱があり,感染を疑い抗生剤などによる治療を行ったが,明らかな感染源は特定できなかった.その後いったん解熱したが術後12日目に再び発熱し,胸痛,喘鳴,頻脈が出現,翌日には胸部レントゲンにて心拡大,両側胸水貯留を認め,心エコーにて軽度の心嚢水貯留を認めた.心膜炎の診断にて原因を精査していた.術後18日目に胸痛,呼吸困難が増悪,心エコーにて心嚢水が増量し心タンポナーデを来していた.心嚢水約150mlを排液したところ,症状は改善した.精査の結果,抗核抗体(speckled)が5120倍と高値,抗ds-DNA抗体陽性,漿膜炎,心膜炎,胸膜炎,リンパ球減少,光線過敏症,口腔潰瘍があり,SLEの診断基準の5項目が該当したためSLEの急性発症と診断した.術後26日目よりプレドニゾロン60mg/dayより内服を開始し,症状は改善した.約3ヶ月の入院治療後軽快退院し,現在外来通院中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 226-226, 2003


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