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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
胎児・新生児(2)
胎児診断された左室瘤の1例


山下 真紀子, 木村 正博, 加村 和雄, 石井 康徳, 本間 智一, 岡垣 竜吾, 小川 博和, 小林 浩一, 畑 俊夫, 石原 理
埼玉医科大学産婦人科


 はじめに心室瘤は組織学的に,筋性(真性)と繊維性(仮性)に大別され,前者は心内膜・心筋・心外膜の3層からなり心室としての機能を有し,後者は心筋組織に乏しく広範な線維組織に置き換わっている.重症心奇形に合併する場合を除き,これのみでの症状は乏しいことが多いため偶然の発見が多く,胎児診断された左室瘤の報告は世界的にも数十例にすぎない.今回我々は,胎児不整脈を契機とし,胎児期に診断された左室瘤の1例を経験したので報告する.症例29歳.1経妊1経産.前医でGnRH pulse+hMG+hCGにて妊娠.妊娠22週1日頸管無力症の診断にてシロッカー手術施行し,ウテメリン点滴にて子宮収縮抑制開始.23週頃より,胎児不整脈出現し,左心室にCystic massを認めた.33週頃より胎児不整脈は消失するも,35週5日当院搬送となった.NSTはreactiveで不整脈は無かった.推定体重 2400g,AFI 10. PLI(下大静脈血流)では胎児に明らかな心不全徴候無し.CTR43%.心エコーにて,左室側壁から後壁に接する17×7mmの嚢胞状腫瘤があり,左室との交通が3mmあった.1週間後の所見にも著変見られず,この時点で経膣分娩可能と判断し,36週6日にシロッカーテープ切断したところ,間もなく陣発.同日,2640g男児娩出.ApgarScore 9/10点.出生後,真性心室瘤と診断されたが,心不全徴候や不整脈はなく手術適応無し.心室瘤の左室としての機能を生かしつつ,以後血栓予防のためアスピリン内服のみで外来followされている.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 230-230, 2003


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