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第105回学術集会(平成15年6月8日)

【一般演題】
胎児・新生児(4)
17週で診断したLimb-body wall complexの1例


川瀬 史愛, 朴 正順, 新垣 総子, 萩原 憲治, 丸 宏昭
船橋二和病院産婦人科


 胎生早期の羊膜の損傷とそれに続く索状物の形成により,多彩な奇形をきたすものを羊膜索症候群といい,なかでも,頭蓋顔面や腹部に異常を伴ったものは重症であり,Limb-body wall complexと呼ばれている.今回我々は超音波検査により妊娠17週で出生前診断し得たLimb-body wall complex(LBWC)の1例を経験したので報告する.症例は30歳の1経妊0経産で,初期より他院にて妊婦健診を受けていた.妊娠17週2日転医希望にて当科初診,超音波検査で肝臓,消化管などの脱出と脊柱の極度の彎曲を認めた.頭部に異常はなくBPD 36.3mmと週数相当であったが,四肢の同定は困難であった.羊水量は正常,AFPは379ng/mlと異常高値であった.以上の所見より,広汎な腹壁破裂を伴うLBWCを強く疑った.予後は極めて不良であることを説明し,患者,家族の希望により18週2日にて人工妊娠中絶を施行した.娩出児は出生前所見と一致し,広汎な腹壁破裂,一部胸郭の破裂と強度の脊柱側彎を認めた.腹壁の欠損部に索状物を認め,胎盤の胎児面の卵膜に連続し,さい帯は卵膜に包まれていた.病理解剖は同意が得られず施行できなかったが,肉眼的所見により本症例はLBWCであると診断した.羊膜索症候群は羊膜の破綻の時期や付着部位により,発生する奇形の種類は多彩である.またその発生は1200例に1例程度と報告されており,決して稀な疾患ではない.本疾患を常に念頭に置いた胎児超音波スクリーニングが必要であると考える.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(2) 235-235, 2003


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