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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
卵巣腫瘍(3)
原発性卵巣癌との鑑別に苦慮した乳癌卵巣転移の1例.乳癌の初回治療より24年後に発症


樋田 一英, 岡本 弥生, 酒井 牧知子, 野村 秀高, 矢島 正純, 太田 博明
東京女子医科大学産婦人科


 転移性卵巣癌は全卵巣悪性腫瘍のうちの約6%を占めるとされている.中でも乳癌の卵巣への転移は大腸癌に次いで多いので,乳癌の既往者に,悪性を疑わせる卵巣腫瘍が発生した場合には乳癌の卵巣転移を鑑別診断する必要がある.今回我々は,乳癌の初回治療より24年と長期経過した患者に,大量の腹水を伴う卵巣腫瘍を認め,その臨床経過や腫瘍マーカー等から原発卵巣癌との鑑別に苦慮した症例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.【症例】65歳,2G2P,既往歴:41歳時に乳癌にて右乳房切除術,58歳時右胸腔に癌性胸水貯留し化学療法を施行.現病歴:2カ月前より腹部膨満感を自覚し,近医受診.大量腹水と両側卵巣腫大を指摘され,加療目的にて当科を紹介受診した.入院時内診所見:子宮は正常大,両側付属器は超手拳大に腫大し,可動性良好であった.MRI所見にて大量の腹水を認め,両側卵巣は多房性一部充実性で,卵巣癌を疑わせるものであった.ただし,腫瘍の病期に比してダグラス窩への進展はほとんどみられず,原発性の卵巣癌としては非典型的という印象があった.腫瘍マーカーはCA125は840IU/mlと上昇を認めたが,乳癌マーカーであるCA15-3は18.6IU/mlと正常であった.原発性の卵巣癌を疑い開腹し子宮全摘術+両側付属器切除+大網切除術を施行した.大網には2〜3センチ大の転移巣を多数認め,両側卵巣は多房性の嚢胞性腫瘤を形成し,腫瘍の表面は平滑で周囲への癒着浸潤は認められなかった.組織検査にて,ductal carcinomaを認め,24年前の乳癌の組織所見に合致し,乳癌の卵巣転移と診断した.術後CEF療法(5FU+エピルビシン+サイクロフォスファミド)を施行した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 307-307, 2003


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