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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
卵巣腫瘍(4)
卵巣腫瘍と鑑別が困難だった盲腸癌の一例


中川 道子, 根岸 靖幸, 渡辺 美千明, 山本 晃人, 阿部 崇, 石川 温子, 土居 大祐, 明楽 重夫, 竹下 俊行
日本医科大学産婦人科


 右付属器炎と虫垂炎のように,婦人科疾患と外科疾患の鑑別に苦慮する症例は日常診療においてしばしば経験する.今回我々は,強い炎症症状を伴ったために右付属器腫瘍との鑑別が困難であった盲腸癌の症例を経験したので報告する.症例は55歳,未経妊.未婚.性交経験なし.平成15年4月上旬より下腹部痛があり,近医外科受診.注腸造影を行うも特別な所見はみられなかった.6月上旬より右下腹部痛の増強,発熱が見られたため近医で抗生剤投与を行ったが,炎症所見の改善がみられず,6月11日当院消化器外科へ紹介となった.Blumberg徴候なく,急性虫垂炎が否定的であったため,婦人科疾患精査のため当科へ転科した.右下腹部に境界不明瞭で圧痛の伴った腫瘤を触知,超音波上8cm大の凹凸不整な充実性腫瘤を認めた.CTにて右回盲部から子宮右側,膀胱前面に9cm×7cmの辺縁不整,内部不整な腫瘤を認めたため,右付属器腫瘍または回盲部腫瘤を疑った.入院時白血球11500/μl CRP22.02mg/dlと著明な炎症反応を示したため,FMOX 2mg/day投与し,炎症反応が改善したが超音波上腫瘤に著変認めず,6月19日に開腹手術を施行した.大網は右腹下部腹壁に癒着,回盲部が一塊となり右付属器に癒着していた.右付属器は表面に炎症性の癒着はあるものの,正常であった.癒着を剥離した後,回盲部切除を行った.肉眼的に盲腸に腫瘍が認められ,病理診断は中等度分化型腺癌であった.盲腸癌に炎症を併発したために診断が困難であった症例を経験し,婦人科疾患と外科疾患の鑑別の難しさを再認識した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 308-308, 2003


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