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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
骨盤腫瘍(1)
回盲部嚢胞性腫瘍の一部にEndometorioid adenocarcinomaが認められた一例


松永 茂剛1), 山本 智子1), 木下 二宣1), 斎藤 麻紀1), 長井 智則1), 斉藤 正博1), 林 直樹1), 馬場 一憲2), 竹田 省1)
埼玉医科大学総合医療センター産婦人科1), 埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター母体胎児部門2)


 腸間膜もしくは後腹膜に発生する嚢胞性腫瘍は超音波断層法,MRI等で画像評価を行う際,卵巣腫瘍と診断されることがある.今回我々は術前に悪性の可能性のある腹腔内腫瘍として手術を施行した結果腸間膜から後腹膜にかけて発育する嚢胞性腫瘍でEndmetorioid adenocarcinomaと判断した1例を経験したので鑑別診断を含めて文献的考察を加えて報告する.(症例)29才0回経妊0回経産.下腹部腫瘤を1ヵ月前より自覚していた.超音波断層像,MRI上,径10cmの嚢胞性,一部充実性の腫瘍を腹腔内に認め右水腎症を合併していた.超音波上両側卵巣を確認していたため傍卵巣腫瘍もしくは腸管由来の腫瘍の疑いで腫瘍摘出術,右卵巣内膜症性嚢腫核出術,虫垂切除術,傍大動脈リンパ節生検術施行.術中所見としては腹水少量,腹水細胞診陰性.虫垂から上行結腸にかけて腸間膜内もしくは後腹膜より発育したと思われる単房性の嚢胞性腫瘍を認めた.また同部位にある傍大動脈リンパ節は腫脹していたが術中迅速病理診断は陰性であった.また子宮及び卵巣表面にブルーベリースポット,右卵巣に内膜症性嚢腫を認めた.術後病理診断は粘液性嚢胞腺腫に一部境界悪性領域とendometorioid adenocarcinomaが混在していた.組織所見として間質の性状も含めて卵巣腫瘍に類似していた.術後経過は良好であり被膜破綻なく腫瘍摘出しているため後療法なく術後14日目退院となっている.(結語)腹腔内に発生する卵巣外嚢胞性腫瘍は稀であり,画像診断上卵巣腫瘍と診断される事があるため腸管膜腫瘍,腔腹膜腫瘍等を鑑別診断として常に念頭に置く必要がある.またこれらの腫瘍の発生病態及び管理について考察する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 319-319, 2003


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