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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
婦人科一般
卵管留血腫茎捻転の一例


笹尾 麻紀1), 苅谷 卓昭1), 藤脇 伸一郎1), 五十嵐 雄一1), 吉田 典生1), 鈴木 廉三朗1), 竹内 久清1), 林 和彦1), 石塚 文平2)
聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院産婦人科1), 聖マリアンナ医科大学産婦人科2)


 思春期女性に発症する急性腹症にはさなざまな病因があるが,その中で月経が関与する婦人科疾患も考慮されなければならない.今回我々は初潮発来後に間もなく発症した卵管留血腫茎捻転の一例を経験した.症例は13才の女性で,下腹部痛,嘔吐を主訴に近医を受診し腹部単純X線,腹部超音波断層法,下腹部CT検査により骨盤内に径10cm大の内部均一な腫瘍を認め,卵巣腫瘍茎捻転を疑われ当院へ紹介受診となった.当科初診時,下腹部全体に圧痛を認め,軟らかい腫瘤を触知した.下腹部MRIを施行したところ子宮の右側に単房性の内部信号均一で血液貯留を疑わせる嚢胞と腫大した卵巣実質を認めたが確定診断には至らなかった.血液検査では炎症反応が上昇しており,後に判明した腫瘍マーカーはCA125が82U/mlであった.診断と治療のため緊急開腹手術を施行したところ嚢胞と思われた部分は右卵管であり内部には血液が貯留しており右卵管留血腫と診断,さらに右卵巣と共に卵管峡部で茎捻転しており,全体的に出血壊死に陥っていた.手術は右付属器摘出術を施行した.対側付属器には異常を認めなかった.本疾患の原因としては不明な点もあるが,何らかの機序で月経血が卵管へと逆流を起こし,卵管采の閉塞により卵管に血液が貯留し捻転したことが推定された.本疾患は文献報告もほとんどなくたいへんに稀な症例であると思われたが,思春期女性が月経発来後に急性腹症を来す疾患の一つとして鑑別が必要であると考えられた.本症例に若干の文献的考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 328-328, 2003


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