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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
産科救急
最近経験した癒着胎盤2例


久保 愛子1), 鹿野 共暁1), 谷口 千津子1), 中島 彰1), 安部 正和2)
磐田市立総合病院産婦人科1), 国立東静病院産婦人科2)


 癒着胎盤は,胎盤の絨毛組織が子宮筋層内に侵入し,胎盤の一部ないしは全部が子宮壁に強く癒着して胎盤の剥離が困難なもので,約7000分娩に1例と言われている.今回我々は2ヶ月間に2例の症例を経験したので報告する.症例1;平成14年12月16日他院で正常分娩し,胎盤娩出後出血多量のため当院へ搬送された.来院時,多量出血および内診・超音波検査で子宮腔内に腫瘤を確認,子宮内反症を疑い直ちに開腹手術としたが,開腹所見では内反の所見なく不全破裂を疑い子宮摘出とした.摘出子宮は重量800gであり,確認していた腫瘤は左側体部の血腫であり除去するとその部位より上方,卵管間質部へ向かって裂孔があり,不全破裂と術後診断した.出血量については,術中は631mlであるが他院・救急車内・当院術前を考慮すると2000ml以上と考えられた.その後,病理診断で裂孔部分に絨毛組織を含まない所見が存在するため,癒着胎盤の一種過剰胎盤着床部反応exaggerated placental siteではとの報告があったが,詳細については現在も検討中である.症例2;前回帝王切開分娩のため今回選択的帝王切開を平成15年1月28日施行した.胎盤は子宮前壁に付着しており,児娩出後剥離困難で癒着胎盤と診断しそのまま子宮摘出となった.摘出子宮および胎盤重量は,1380gであり,出血量は2404mlであった.その後の病理診断で穿通胎盤placenta percretaと診断された.癒着胎盤は非常にまれな疾患であるが,今回のように出血コントロールが不能な場合,子宮摘出となることがあり,また術前に超音波検査で観察されることもあるが,術前診断が困難なことも多い.今回2例の症例を経験したのでここに報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 341-341, 2003


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