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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
産科救急
巨大児分娩後の弛緩出血に対して,子宮筋層切除および筋層縫縮にて止血をしえた1症例


武田 信彦, 多田 和美, 桜井 秀, 亀森 哲, 田所 望, 深澤 一雄, 渡辺 博, 稲葉 憲之
獨協医科大学産婦人科


 日常臨床においてしばしば産科医が遭遇する弛緩出血は,その対処が遅れた場合や出血量によっては子宮摘出,ひいては母体死亡につながる産科救急疾患である.今回,我々は帝王切開分娩後の弛緩出血で止血に苦慮し,最終的には子宮筋層部分切除によりコントロールしえた症例を経験したので報告する.症例は23歳,初産婦.妊娠29週6日,前医より胎児腹部腫瘤疑いで当院を紹介受診.超音波検査にて腹腔内に8.9×5.6×6.6cmの嚢胞性腫瘤を認め,精査のため施行した胎児MRIでは巨大膀胱が疑われた.妊娠経過は特に異常なく,妊娠39週4日,分娩管理目的で入院.児推定体重は4169g,AFI 12.1,CTGはreactive pattern.自然陣痛の発来なく,妊娠41週3日帝王切開施行.児は4234gの女児でアプガースコア8/10,精査のためNICU管理となった.術中所見は,子宮体部および頚部は収縮不良で筋層内にオキシトシン5単位を局注,出血量1050ml.病棟に帰室後,悪露多く子宮収縮剤使用するも反応不良,用手圧迫を行っている最中に,出血性ショック症状を来したため再開腹とした.腹腔内出血および帝王切開時の下部横切開からの出血は少量,子宮は非常に収縮不良であった.子宮収縮剤を局注するも反応しないため,両側内腸骨動脈を結紮,子宮頚部を吸収糸で表層から縫縮するも子宮収縮認めず.再度子宮収縮剤の局注を行うも反応ないため,子宮体部に縦切開を加え子宮内腔から出血点を結紮縫合,更に子宮筋層を幅約4cmにわたり長方形に切除し筋層縫合したところ,子宮収縮を認め止血し始めた.総出血量は2933g,MAP12単位,FFP10単位,血小板20単位の輸血を行った.産後5ヶ月目に行った子宮卵管造影は正常であった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 342-342, 2003


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