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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
妊娠・分娩(3)
Osler-Rendu-Weber病合併妊娠の1例


村山 さつき, 田中 誠治, 高井 泰, 菊池 昭彦, 藤井 知行, 久具 宏司, 上妻 志郎, 堤 治, 武谷 雄二
東京大学産婦人科


 Osler-Rendu-Weber病(Hereditary Hemorrhagic Telangiectasia:HHT)は皮膚・粘膜ならびに臓器(肺,脳,消化管,肝)に大小さまざまな血管形成異常(AVM:Arteriovenous malformation)を生じる常染色体優性遺伝疾患である.今回,肝にAVMを有するHHT合併妊娠症例を経験したので報告する.症例は34歳1経妊1経産,前回分娩(non-reassuring fetal statusによる帝王切開施行)後に肝胆道系酵素上昇,肝に多発するAVMが認められ,皮膚の毛細血管拡張所見,数年前より頻発する鼻出血(父・祖母にも同様の鼻出血の既往)からHHTと診断された.今回妊娠成立後,肝AVMによる循環血液量増加から軽度僧帽弁・三尖弁閉鎖不全及び右室圧の上昇が認められたが,肺AVMが存在せず,心機能も保たれていたことから妊娠継続の方針となった.妊娠27w4d安静管理目的で入院.入院中,児の発育は良好でNSTは常にreactive pattern,切迫早産徴候はなく,また心エコー上母体の心機能も保たれており,妊娠34w4d退院,37wでの帝王切開を予定していた.妊娠35w3d起床時より胎動消失,同夜救急受診しIUFDを確認,帝王切開で死児を娩出(2556g)した.病理学的に児及び胎盤に特記すべき所見なし.産褥7日目退院となったが,産褥27日目,うっ血肝・腹水等右心不全徴候が認められ入院,心カテーテル検査で肝AVMによる著明な循環血液量増加による両心不全であると診断された.現在肝移植を視野に入れ内科フォロー中である.肝HHT合併妊娠でIUFDの転帰をとり,また,産褥期に肝HHT増悪から心不全を来した症例の報告はこれまでになく本症例が初めてである.文献的考察を加え報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 357-357, 2003


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