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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
妊娠・分娩(5)
水痘合併妊娠にて肺炎に至った1症例


岸本 恭紀1), 小林 由佳1), 岩倉 孝雄1), 吉仲 昭1), 舟山 仁1), 宮澤 豊1), 深山 牧子2), 守矢 和人1)
都立豊島病院産婦人科1), 都立豊島病院感染症科2)


 妊娠中の女性が水痘に感染すると重症化しやすく,児への水痘感染も問題となる.今回我々は妊婦が水痘に感染し肺炎を合併した症例を報告する.症例:30歳1回経産.第1子が平成15年5月26日より水痘を発症.妊婦は6月8日(33週6日)より発熱とともに全身に発疹が生じ,咳嗽と呼吸困難のため前医受診.体温39.4℃,動脈血ガスPO2 70.3mmHgなどより水痘肺炎を疑い,感染症病棟への隔離目的で6月9日に当院に母体搬送された.入院時,呼吸困難のため酸素投与をされていたが,胸部聴診上異常はない.体温37.2℃.発疹は全身性に紅斑と小水疱が散在.WBC 5900/μl,CRP 1.7mg/dl.水痘ウイルス抗体価はIgM(EIA)1.99,IgG(EIA)2.0.動脈血ガスはO2投与下でPO2 127.0mmHg,PCO2 31.1mmHg,SaO2 98.9%.胸部単純X線では明らかな異常陰影は認められなかったが,胸部CTにて両側肺野にびまん性に斑状陰影や気管支壁の肥厚を認め水痘による間質性肺炎と診断された.酸素投与,アシクロビル750mg/日静注に加え,症状の改善を目的としてインフォームドコンセントのもとに6月10日からステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン500mg/日,5日間静脈投与)を施行し,呼吸状態は改善した.6月13日から子宮収縮が増強したため感染後早期の分娩を予防する目的でリトドリンを50μg/minで静脈投与した.発疹は6月12日頃から徐々に水疱が痂皮化し,6月23日にほぼすべての発疹が痂皮化し退院した.退院後は感染症外来通院中で問題なく経過している.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 363-363, 2003


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