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第106回学術集会(平成15年10月5日)

【一般演題】
胎児・新生児(4)
新生児重症貧血を呈した胎児母体間輸血症候群の一例


杉山 緑, 坂田 麻理子, 徳永 直樹
市立伊東市民病院産婦人科


 <緒言>今回我々は新生児重症貧血を呈した胎児母体間輸血症候群の一例を経験したので報告する.<症例>24歳,0経妊0経産,血液型A型Rh+.他院にて妊婦健診を施行中,妊娠41週0日より胎動減少あり,41週2日,血圧145/94,尿蛋白3+と,妊娠中毒症の為他院に入院.CTGで変動一過性徐脈あり,同日当院へ母体搬送.到着時血圧186/102,CTG上胎児ジストレスの診断で緊急帝王切開術を施行した.41週3日,3098gの男児をアプガースコア1点3点で娩出.羊水混濁は高度.胎児は全身皮膚蒼白で出生2分後に挿管した.臍帯動脈血はHb 2.6g/dl,pH 6.91,BE-22.3mEq/lと,著明な貧血と代謝性アシドーシスを認めた.児は他院のNICUへ同日転院搬送.Hb 2.7であった為,赤血球輸血(児はA型Rh+)を30ml施行し,日齢2にはHb 11.2まで回復し救命し得た.母体採血所見は,分娩後HbF 9.0%(正常値0〜1.0),HbA 88%(正常値93〜97),血清AFP 1765ng/ml(正常値300〜800),不規則性抗体陰性,間接クームス陰性,その他血液データに異常なかった.母体HbF,AFP上昇により胎児血の母体血への移行が疑われた為,Kleinhauer-Betke法にて母体血液中の胎児赤血球を証明した.血液型不適合を始めとする胎児貧血を来たす他の疾患が否定された為,本症例の胎児重症貧血の原因は胎児母体間輸血症候群であると考えられた.<結論>児の貧血が疑われる場合や原因不明の胎児not well-beingに遭遇した場合,本症例も念頭に鑑別診断することが重要である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(3) 380-380, 2003


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